SDB Tools - S.M.A.R.T. D-B Tools Version 0.99a edition #01 (BETA)
(C) Copyright 2006, taro
QUICK START MANUAL for Windows - クイックスタート マニュアル Windows用

 ここではWindows版SDBクライアントのインストール方法と、使用方法を説明します。
 SDB Toolsを使うためにはSDBクライアントとSDBサーバが必要ですが、SDBサーバはインターネット経由で誰でも利用できる公開SDBサーバを使います。公開SDBサーバを利用するなら、ユーザはSDBクライアントをセットアップするだけで理由できます。

 公開SDBサーバに登録・記録された情報は誰でも閲覧・表示できます。S.M.A.R.T.情報を第三者に知られたくない方は、公開SDBサーバの利用は控えてください。

 基本的なセットアップ手順は、

  1. ファイルの展開・コピー
  2. S.M.A.R.T.情報の確認
  3. sdb.defファイルの編集
  4. SDBサーバにデバイスを登録
  5. タスク スケジュールに登録
となります。

ファイルの展開・コピー

 次のファイルを適当なフォルダにコピーしてください。
 以後の説明では<c:\sdb\bin>フォルダにインストールにしたとして説明します。

(1) sdbctl.exe Windwos SDBクライアント
(2) sdbtask.exe Windwos SDBクライアント(タスク登録用サブセット)
(3) sdbwatch.exe Windwos 監視プログラム
(4) libpq.dll Windows データベース(PostgreSQL)接続用DLL
(5) sdb.def Windoww 設定ファイル
ここでは使わないプログラムも含まれていますが、まとめてインストールしてください。

S.M.A.R.T.情報の確認

 まずはハードディスクのS.M.A.R.T.情報が取得できるか確認します。S.M.A.R.T.情報が正しく取得できないことにはSDBクライアントは利用できません。
 まずはコマンドプロンプトを開いてください。コマンドプロンプトは[スタート]メニューから「プログラム」→「アクセサリ」→「コマンドプロンプト」を選択、実行すると開きます。
 コマンドプロンプトが開いたら、SDBクライアントをインストールしたフォルダに移動します。

実行例
C:\Documents and Settings\user> cd  \sdb\bin

C:\sdb\bin>

 sdbctl showコマンドを実行して、ハードディスクのS.M.A.R.T.情報が表示できるか確認します。

実行例
C:\sdb\bin>sdbctl  show
(省略)
DBOpen error!
Device disk0
Model   : HDT722520DLAT80
Firmware: V44OA96A
Serial  : VD051BTDDM86GL
Capacity: 200.0G
    ID# S.M.A.R.T. Attribute          Val Wst Ths Flags               RAW Value
      1 Raw Read Error Rate           100 100  16 --1-OP                      0
      2 Throughput Performance        100 100  50 ---1-P                      0
      3 Spin Up Time                  204 204  24 ---1OP         12,896,567,461
      4 Start/Stop Count              100 100   0 -1--O-                     19
      5 Reallocated Sectors Count     100 100   5 11--OP                      0
      7 Seek Error Rate               100 100  67 --1-OP                      0
      8 Seek Time Performance         100 100  20 ---1-P                      0
      9 Power-On Hours                100 100   0 -1--O-                  1,167
     10 Spin Retry Count              100 100  60 -1--OP                      0
     12 Device Power Cycle Count      100 100   0 11--O-                     19
    192 Power off Retract Count       100 100  50 11--O-                     65
    193 Load/Unload Cycle Count       100 100  50 -1--O-                     65
    194 Temperature                   161 161   0 ----O-        158,915,035,170
    196 Reallocation Event Count      100 100   0 11--O-                      0
    197 Current Pending Sector Count  100 100   0 1---O-                      0
    198 Uncorrectable Sector Count    100 100   0 --1---                      0
    199 UltraDMA CRC Error Rate       200 200   0 --1-O-                     13

 デバイス(ハードディスク)を指定しないで実行すると物理ドライブdisk0,disk1といった具合に順番に探して表示します。パソコンに複数のハードディスクが接続されている場合、それぞれのハードディスクに結果が表示されます。
 特定のハードディスクの情報だけ確認したい場合は、「sdbctl show --dev disk0」といった具合に--devオプションを指定してください。
  まれにdisk0、disk1の次がdisk3といったように、ドライブ番号が抜けていることがあります。このような場合、自動的に探すのはdisk1まででdisk3は表示されません。disk3の情報を表示したい場合も、は「--dev disk3」といった具合に--devオプションを指定してください。

実行例
C:\sdb\bin>sdbctl  show  --dev  disk0
(省略)

 sdbctl showを実行してもS.M.A.R.T.情報が表示されない場合、SDBクライアントは使用できません。
 RAIDを構成しているハードディスクや、USBやIEEE139で4接続している場合はS.M.A.R.T.情報は表示できないことがあります。
 通常のATA/IDEハードディスクなのにS.M.A.R.T.情報が表示されない場合は、パソコンやマザーボードのBIOS設定でS.M.A.R.T.機能が有効になっているか確認してください。

RAW Value表示形式の調整

 sdbctl showを実行してもS.M.A.R.T.情報が表示できければ問題はありませんが、ハードディスクによっては表示形式を指定したほうがいい場合があります。
 一部のハードディスクでは、RAW Valueに最大・最小値や平均値といった複数の情報が含まれていることがあります。
 先ほどの例では、S.M.A.R.T.情報のID#194 Temperatureがこれにあたります。ID#194 Temperatureは温度ですが、RAW Valueは158,915,035,170と温度としてもありえない数値を示しています。
 こういう場合は、sdbctlコマンドに「--smart_attr 194:divword」オプションを指定すると、3つの値に分解して表示してくれます。
 わかりにくいかもしれませんが、ID#3 Spin Up Time も、3つに分解すると正しい値を表示します。
 --smart_attrオプションを指定するには、--devオプションも合わせて必要なので、次のように指定します。

ex.2-1:
C:\sdb\bin>sdbctl  show  --dev  disk0  --smart  attr  3:divword  --smart_attr  194:divword
(省略)
DBOpen error!
Device disk0
Model   : HDT722520DLAT80
Firmware: V44OA96A
Serial  : VD051BTDDM86GL
Capacity: 200.0G
    ID# S.M.A.R.T. Attribute          Val Wst Ths Flags               RAW Value
      1 Raw Read Error Rate           100 100  16 --1-OP                      0
      2 Throughput Performance        100 100  50 ---1-P                      0
      3 Spin Up Time                  204 204  24 ---1OP      165    178      3
      4 Start/Stop Count              100 100   0 -1--O-                     19
      5 Reallocated Sectors Count     100 100   5 11--OP                      0
      7 Seek Error Rate               100 100  67 --1-OP                      0
      8 Seek Time Performance         100 100  20 ---1-P                      0
      9 Power-On Hours                100 100   0 -1--O-                  1,167
     10 Spin Retry Count              100 100  60 -1--OP                      0
     12 Device Power Cycle Count      100 100   0 11--O-                     19
    192 Power off Retract Count       100 100  50 11--O-                     65
    193 Load/Unload Cycle Count       100 100  50 -1--O-                     65
    194 Temperature                   161 161   0 ----O-       34     19     37
    196 Reallocation Event Count      100 100   0 11--O-                      0
    197 Current Pending Sector Count  100 100   0 1---O-                      0
    198 Uncorrectable Sector Count    100 100   0 --1---                      0
    199 UltraDMA CRC Error Rate       200 200   0 --1-O-                     13

sdb.defファイルの編集

 使用するハードディスクに合わせてsdb.defファイルを編集してやきます。
 RAW Valueの表示形式を指定する場合も、sdb.defファイルで指定しておくことができます。こうしておれば、毎回--smart_attrオプションを指定する必要はありません。
 メモ帳などのテキストエディタでインストールしたsdb.defファイルを開いてください。

 先ほどの操作の続きで、コマンドプロンプトからメモ帳を開いてsdb.defを編集する場合は次のように入力してください。

実行例
C:\sdb\bin>notepad  sdb.def

 sdb.defファイルの内容は次のようになっています。

sdb.defファイルの内容

string  sdb_db_host = "sdb-server"; //[1] データベース(PostgreSQL)のアドレス
string  sdb_db_port = "5432";       //[2] データベースのポート
string  sdb_db_user = "sdb_user";   //[3] データベースのユーザー名
string  sdb_db_pass = "sdb_pass";   //[4] データベースのパスワード
string  sdb_db_name = "sdb";        //[5] データベース名

string  sdb_http_post_host = "www.runser.jp";       //[6] HTTP SDBサーバ アドレス
string  sdb_http_post_port = "80";                  //[7] HTTP ポート
string  sdb_http_post_path = "/sdb/sdbpost.php";    //[8] HTTP パス

string  sdb_sub_dir = "c:\\sdb\\log";   //[9] エラー発生時データ保存用フォルダ

int     sdb_mail_warnlevel   = 3;   //[10] 警告レベル 0=off, 1=failure, 2=high, 3=mid, 4=low
string  sdb_mail_from        = "your@mail-addr";    //[11] 送信元メールアドレス
string  sdb_mail_to          = "your@mail-addr";    //[12] 送信先メールアドレス
string  sdb_mail_smtp_server = "your-mail-server";  //[13] SMTPサーバのアドレス
int     sdb_warn_high_estimate = 3; // [14] high
int     sdb_warn_mid_estimate = 14; // [15] mid
int     sdb_warn_low_estimate = 30; // [16] low

int     sdb_auto_raw_word_id = 9;       //[17]
int     sdb_random_wait_sec = 30;       //[18]
int     sdb_dialog_auto_close_sec = 15; //[19]

struct SdbDevOpt    // [20] 編集・変更しないでください
{
    string      model;
    string      serial;
    string      option;
};

SdbDevOpt   sdbDevOptTbl[] =    //[21]
{
 { "HDT722520DLAT80", "VD051BTDDM86GL", "--smart_attr 3:word0 --smart_attr 194:word0" }, //[22]
 { "ST3200822A" "3LJ160QK", "" }, //[23]
};

 公開SDBサーバを利用するのに必要な設定は[3]〜[8]です。
 収録されているsdb.defにはあらかじめ公開SDBサーバ用の設定が記述されていますが、念のために内容を確認してください。
 [9]はSDBサーバが停止していたりエラーが発生した場合にデータを保存するフォルダです。例ではc:\sdb\logを指定しています。sdb.defファイル中のダブルクォート(")で括った文字列では、半角\記号は2つ続けて\\と指定するので注意してください。

 [21]に「SdbDevOpt sdbDevOptTbl[] =」という内容がありますが、[22]のように「{"モデル名", "シリアル" , "オプション" }」という形式で追加します。複数のハードディスクがある場合、[24]のように続けて何台でも指定できます。
 モデル名やシリアルは正確に入力してください。1文字でも間違うと、正しく動作しないので、コマンドプロンプトの表示内容からコピーして貼り付け(ペースト)することをお勧めします。
 RAW Valueの表示形式を指定する--smart_attrは[23]のように指定できます。sdbctl showコマンドでは「--smart_attr 194:divword」と指定していましたが、sdb.defファイル中では「--smart_attr 194:word0」と指定しています。これは3つに分割したいうち、最初の値を使うという意味です。2番目ならword1、3番目はword2となります。

 編集が終わったらsdb.defを保存してください。
 再びコマンドプロンプトでsdbctl showコマンドを実行して、--smart_attrオプションを指定しなくても、RAW Valueが正しく表示されれば成功です。

SDBサーバにデバイスを登録

 sdbctl addコマンドを実行してデバイスをSDBサーバに登録します。
 showコマンドと同じように、--devオプションを省略するとdisk0から順番に処理しますが、なるべく--devオプションでドライブを指定してください。
 公開SDBサーバやインターネット経由のHTTPモードで登録するには--httpオプションを指定する必要があります。
 確認のダイアログが表示されたら、[はい]ボタンをクリックしてください。

実行例
C:\sdb\bin>sdbctl  add  --http  --dev  disk0
(省略)
Model HDT722520DLAT80
Serial VD051BTDDM86GL
Passcode YV8YM8Y
// Add code sdb.def file
SdbDevOpt sdbDevOptTbl[] =
{
{ "HDT722520DLAT80", "VD051BTDDM86GL", "--user_pass YV8YM8Y" },
};
(省略)

 HTTPモードでは登録に成功したら、このようなメッセージが表示されます。
 ここで重要なのがPasscodeとして表示されている確証コードです。公開SDBサーバにS.M.A.R.T.情報を記録するには、ここで発行された確証コードが必要です。
 確証コードはsdb.defファイルに記述しておくことができます。画面には設定例が表示されていますが、--smart_attrオプションと同様に--user_passオプションをsdb.defファイルに登録してください。

sdb.defファイル

SdbDevOpt   sdbDevOptTbl[] =        //[21]
{
 { "HDT722520DLAT80", "VD051BTDDM86GL", "--user_pass YV8YM8Y --smart_attr 3:word0 --smart_attr 194:word0" },    //[22]
};

 デバイスを登録したら、sdbctl updateコマンドを実行して、動作確認を行います。

ex.2-1:
C:\sdb\bin>sdbctl  update  --http  --dev  disk0
(省略)
Random wait 14 sec
Device disk0
Model : HDT722520DLAT80
Firmware: V44OA96A
Serial : VD051BTDDM86GL
Capacity: 200.0G
Found HTTP Result 200

 updateコマンドはランダムに待ち時間が入ります。しばらく動作が停止したような状態になりますが、そのまま待ってください。待ち時間は初期設定のままなら最大30秒です。
 公開SDBサーバでは1日に記録できるデータ量を制限しています。動作確認のsdbctl updateの実行は最小限に止めてください。

タスク スケジュールに登録

 Windowsのタスク スケジュール機能を利用して、S.M.A.R.T.情報を自動的にSDBサーバに登録するように設定します。
 Windowsのコントロールパネルにあるタスクを開いてください。Windowsの環境や設定によって操作方法は若干異なりますが、[スタート]メニューから[コントロール パネル]を選択して、コントロール パネルを開きます。Windows 2000やクラシック表示では、「タスク」というアイテムがあるのでこれを実行して開きます。Windows XPでコントロール パネルがカテゴリ表示の場合、「パフォーマンスとメンテナンス」の中に「タスク」があるので、これをクリックして実行してください。
コントロール・パネル(カテゴリ表示)
コントロール・パネル(カテゴリ表示)
タスクの追加

 「タスク」が開いたら、「スケジュールされたタスクの追加」というアイテムをダブルクリックして実行します。
 「タスク ウィザード」が開きますので、[次へ(N)>]ボタンをクリックします。

 「実行するプログラムを1つ選択してください」という画面では、[参照(R)...]ボタンをクリックして、ファイルダイアログが開いたらSDB Toolsのsdbtask.exeを選択します。

タスク ウィザード
タスク ウィザード

 タスクの名前は適当に入力してかまいませんが、初期値としてプログラムの名前sdbtaskが入力されているので、通常はこれをそのまま使います。
 「このタスクの実行:」という選択箇所は、とりあえず「日単位」を選択しますが、実際には後で調整・変更します。
 選択したら[次へ(N)>]ボタンをクリックします。

タスク ウィザード

 「開始時刻」と「開始日」は初期値として入力されている現在の時刻・日付をそのまま使ってください。
 ウィザードでは詳細が設定できないので後で調整・変更しますが、とりあえず「間隔(E)」を選択してください。
 選択したら[次へ(N)>]ボタンをクリックします。

タスク ウィザード

 ユーザ名とパスワードを入力します(※)
 現在ログオンしているユーザの名前と、パスワードを入力します。
 入力したら[次へ(N)>]ボタンをクリックします。

 ここで入力するユーザ名とパスワードは、SDBサーバで使用するsdb_userやsdb_passではありません。Windowsのユーザ名とパスワードです。

タスク ウィザード

 「完了をクリックしたときに詳細プロパティを開く(A)」にチェックをして選択して、[完了]ボタンをクリックします。
 Windowsのバージョンによっては、このチェックボックスが存在しないので、その場合は[完了]ボタンをクリックした後で作成したタスク(sdbtask)を右クリックしてプロパティを選択します。後から設定を変更する場合もこのように操作してください。

タスク

タスクのプロパティ:[タスク]タブ

 プロパティが開いたら、[タスク]タブの「実行するファイル名(R):」の入力ボックスにパラメータを指定します。
 初期値として「c:\sdb\bin\sdbtask.exe」といった具合に入力されているので、この後ろに半角スペースを置いてからコマンド・パラメータを追加します。物理ドライブ0番のS.M.A.R.T.情報を更新・記録する場合は、「c:\sdb\bin\sdbtask.exe update --http --dev disk0」と入力します。複数のドライブを処理したい場合は、「c:\sdb\bin\sdbtask.exe update --http --dev disk0 --dev disk1」といったように、必要な数だけ--devオプションを追加してください。
 公開SDBサーバを利用する場合には--httpオプションは必ず指定してください。

 次に[スケジュール]タブをクリックして画面を切り替えます。

タスクのプロパティ:[スケジュール]タブ

 [スケジュール]タブでは、[詳細設定(V)...]ボタンをクリックして、「タスクを繰り返し実行(R)」を選択してチェックします。「間隔(V)」は60分、または1時間にして、「継続期間(D)」は24時間にします。詳細設定を済ませたら[OK]ボタンをクリックして「スケジュールの詳細設定」を閉じてください。

 「開始時刻」は、タスク作成時の時刻が設定されているので、00:00とか切のいい時刻に変更したくなるかもしれませんが、そのままにしてください。
 というのは、公開SDBサーバは多数のユーザが利用しますが、みなが00分とか設定すると、特定の時刻に処理が集中して負荷が高くなります。1時間間隔の実行ですので時間は何を設定してもいいのですが、「分」のほうは0〜59の間で無作為に選んでください。無作為といっても人間が選択すると偏る可能性があるので、タスク作成時に初期値として入力されている現在時刻をそのまま使ってください。

 設定が終わったら[OK]ボタンをクリックしてプロパティを閉じてください。
 プロパティを閉じるときにユーザ名とパスワードの入力を求めてることがあります。タスク ウィザードで入力したのと同じように入力してください。

 以上で、SDBクライアントの設定は終了です。

SDBサーバ上のS.M.A.R.T.情報を表示

SDB Tools Webページ
 SDBサーバに記録されたS.M.A.R.T.情報はWebブラウザを使って表示・確認できます。
 インターネット・エクスプローラ等のWebブラウザから次のURLを開いてください。
http://www.runser.jp/sdb/
 SDB ToolsのWebページが開いたら、表示したいハードディスクのモデルとシリアルを入力して「デバイスの検索・表示」ボタンをクリックします。

SDB Tools Webページ

 該当のデバイスが表示されたら、モデル名部分のリンクをクリックすると詳細が表示されます。

SDB Tools Webページ

 [レポート]ボタンをクリックすると、値の変化から将来の予測を行いますが、デバイス登録した直後はデータの蓄積がないので機能しません。
 「グラフ表示期間」を選択してから、該当するID#のボタンをクリックすると、指定期間のグラフを表示します。ただし、デバイス登録した直後はデータの蓄積がないのでグラフ表示も意味はありません。
 レポートやグラフは数日から数週間以上はデータを記録してから行ってください。

 [設定・編集]ボタンをクリックすると、ホスト名や動作の停止、コメントといった内容を入力・変更することができます。
 これらの設定を行うデバイス登録時に発行された確証コードが必要です。

グラフの見方

SDB Tools Webページ
 S.M.A.R.T.情報のグラフは、属性値とRAW Valueの2種類が表示されます。
 上のグラフで緑色の線が属性値の変化です。赤色は閾値(Threshold)です。緑の属性値が、赤色の閾値よりも大きければ正常です。
 属性値の上下に暗めの水色紫色の横線がありますが、これはベスト値とワースト値です。

 下のグラフの黄色の線がRAW Valueの変化です。
 上下に暗めの水色紫色の横線は、最大値と最小値てす。


SDB Tools Webページ
 ある程度、データが蓄積されている場合、将来の状態を予測することができます。
 将来の予測を見たい場合は、グラフ表示期間を「○○後の予測」を選択してから、[グラフ表示]ボタンをクリックしてください。

 上のグラフの緑色の点線が属性値の予測、赤色の点線が閾値(Threshold)の予測です。
 下のグラフでは黄色の点線がRAW Valueの予測です。

 SDB Toolsでは線形回帰アルゴリズムをもちいて将来の状態を予測しています。これは右グラフの例のように直線的に変化するものとして予測しています。
 S.M.A.R.T.では属性値が閾値以下になると故障という判断を行うので、上のグラフで緑と赤の点線が交差する箇所があれば、そこが故障予測時点となります。右グラフの例のように、緑と赤が平行線という状態では交点がないので故障予測はできません。


SDB Tools Webページ
 [レポート]ボタンをクリックした場合には、右図のような結果が表示されます。
 「Threshold estimate」という表示は、属性値が閾値(Threshold)に達するまでを予測した残り時間です。
 グラフのところで説明したように、これは直線的な変化で予測しているので、値の変化がまったくなかったり、変化しても属性値と閾値が交差しないような場合は予測はできません。

 公開SDBサーバは負荷をサーバの負荷を低減するために、限定した機能・サービスしか提供していません。
 SDB Toolsにはハードディスクの異常を検出するとメールで通知する機能が備わっていますが、公開SDBサーバではこの機能は利用できません(sdbtaskほ実行した時点で異常を検出すると警告のダイアログは表示されますが)。
 警告やエラーになるパラメータをユーザが設定して、たとえば使用時間(ID#9 Power-ON Hour)が2万時間に近づいたとか、電源のオン/オフ(ID#4 Start/Stop Count)が5000回を超えたら警告を出すといった運用もできます。
 また、S.M.A.R.T.情報の更新・記録頻度も1時間に1回程度に制限していますが、自分でSDBサーバを用意するなら10分とか5分間隔に設定することも可能です。
 グラフも公開SDBサーバでは1つの属性しか表示しないようにしていますが、サーバの負荷を気にしないのであれば、全属性のグラフを一度に表示することも可能です。

 SDBサーバのセットアップにはWebサーバ(Apache)やデータベース(PostgreSQL)が必要なので、これらの経験がないと難しいかもしれませんが、興味のある方は挑戦してみてください。
 ただし、数個のハードディスクを管理するだけならSDBサーバを自分で用意するには労力に合わないかもしれません、SDB Toolsは何台もあるハードディスクを一括して管理できるのが特徴です。自分のパソコンのハードディスクを監視するだけなら、他のS.M.A.R.T.関連ツールを使ったほうが簡単かと思います。


  Q&A - SDBクライアント

[Q] 自分のハードディスクのWebページを素早く開きたい
 SDBサーバに記録されているS.M.A.R.T.情報を表示するには、ハードディスクのモデル名とシリアルを入力する必要がありますが、毎回これを入力するのは大変です。自分のハードディスクの情報を素早く開きたい場合は、「お気に入り」や「ブックマーク」に登録しておくといいでしょう。
 S.M.A.R.T.情報を表示するWebページのURLは「http://www.runser.jp/sdb/devshow.php?dev_id=7」のようになっているはずです。dev_idの数値が、デバイスを識別する情報になっています。このURLを「お気に入りや」や「ブックマーク」に登録してください。

[Q] 故障時期の予測がまったく表示されない。
 SDB Toolsでは蓄積したデータを分析して、属性値が閾値以下になる時期を予測します。
 グラフでは緑色が属性値、赤色が閾値を表していますが、次のグラフのように属性値と閾値が平行線、 あいるは離れていくような変化をしている場合には、故障時期は予測できません。
 何週間、何ヶ月記録を続けても、この状態が続く限り故障時期は予測できません。
故障時期は予測できない
 次のグラフのように、属性値と閾値が交差していば、そこが故障時期の予測です。
緑色と赤色が線が交差しているところが故障時期の予測です

[Q] 故障時期の予測が○日後と表示される
 故障時期の予測が表示されても、それが正しいとは限りません。まずは、属性と属性値の変化の状態をグラフで確認してください。
 グラフで将来の予測状態を見るとわかると思いますが、SDB Toolsでは直線的に変化するという前提で故障時期を予測しています。 このため属性によって予測しやすいものと、そうでないものがあります。
 たとえば、ID#4 Start/Stop Count や、ID#9 Power-On Hoursは使用するごとに連続して変化するので、予測しやすい属性です。
 しかし、直線的に変化しない属性については、故障時期の予測はあてになりません。
 もし、故障時期が数日後や数週後と予測されても、グラフを表示して変化の状態を確認した上で判断してください。

 予測に向かない属性には、ID#194 Temperature があります。この属性は温度ですが、外気温や室温に影響されます(完全に空調されている部屋なら別ですが)。データの記録期間が短いときに、外気温や室温にが上昇すると、故障時期が近づいたような結果を出すことがあります。また、冬から記録を始めて春・夏に向うと当然は温度は上昇します。この状態で予測すると、数年後もそのまま温度が上昇するような予測をしますが、実際にはそんなことにはなりません。
 温度については予測は無視して、下限や上限を指定して警告を出すように設定したほうが実用的かと思います(SDBサーバを自分で用意するなら、そのような設定も可能です)。
 また、一部のハードディスクではID#1 Raw Read Error RateやID#195 Hardware ECC Recoveredが、アクセスの度に変化します。このような属性ではデータの記録期間が短いと、すぐに故障してしまうような予測を出してしまうことがあります。

[Q] SDBサーバに登録した情報を削除したい
 公開SDBサーバでは、一度登録したデバイスを削除する機能は用意していませんが、記録したS.M.A.R.T.情報は削除できます(ただし、SDBサーバの設定や運用方針によっては、データ削除も許可しないこともあります)。
 ブラウザでデバイスの情報を表示して、設定・編集ページで確証コードを入力し、「データ削除」をチェックして「設定変更」をクリックしてください。
 LAN/イントラネット環境でデータベースに直接接続できる場合は、sdbctl deleteコマンドでデバイスを削除できます。
 公開SDBサーバでは一度登録したデバイスは削除できませんが、先ほど説明ようにS.M.A.R.T.情報の削除は可能です。通常はこれで十分かと思います。故障したり使わなくなったハードディスクについてもデバイスやデータを削除する必要はないので、設定・編集ページで動作状態を「停止」にしてください。

[Q] --smart_attrオプションで指定するRAW Valueの形式を変更したい
 SDBサーバに記録したS.M.A.R.T.情報のRAW Value形式を変更する方法は用意していません。
 --smart_attrオプションの忘れたり間違えて記録してしまった場合、いったんデータを削除してからやり直してください。
 公開SDBサーバのデータを削除するには、ブラウザでデバイスの情報を表示して、設定・編集ページで確証コードを入力し、「データ削除」をチェックして「設定変更」をクリックします。

[Q] sdbtaskを実行するとダイアログが表示される
sdbtask警告ダイアログ
 sdbtaskは通常タクス スケジュールに登録してupdateコマンドを実行しますが、エラーや異常を検出すると 警告ダイアログを表示します。このダイアログは一定時間(デフォルトでは15秒)が経過すると自動的に閉じます。
 この警告ダイアログが表示された場合は、すぐにS.M.A.R.T.情報の詳細を確認してください。
 エラーの内容によっては警告を無視してもかまいませんが、ほとんどの場合このダイアログは深刻なエラーを検出したときに表示されます。

[Q] ログに保存された過去のS.M.A.R.T.情報をSDBデータに記録したい
 sdbctl/sdbtaskはSDBサーバが停止していたり何らかのエラーが発生してS.M.A.R.T.情報が記録・更新できなかった場合、記録できなかった内容をエラーログとしてファイルに保存します。
 sdbctl loadコマンドはこのログファイルに記録されているS.M.A.R.T.情報をSDBサーバに記録することができます。ただし、loadコマンドはHTTPモードは対応していないので、公開SDBサーバでは利用できません。
 データベースに直接接続できるSDBクライアント環境であれば「sdbctl load」とすることで、ログファイルに記録されているすべてのS.M.A.R.T.情報をデータベースに記録します。エラーログはsdb.defファイルのsdb_sub_dir変数の指定したディレクトリにファイル名smart.logとして保存されます。--csvfileオプョンを使えばログファイルを指定できます(例「sdbctl load --csvfile c:\sdb\log\smart.log」)。
 sdbctl loadコマンドは、データが重複していると記録できないので、既に記録したS.M.A.R.T.データはログファイルから削除してから実行してください。ログファイルはテスキトファイルですので、適当なテストキエディタで編集可能です。